Specialist course

今回のレッスンではオートクチュールのドレスの刺繍課題に取り組まれた方が、やり直しをされました。この課題は、ドレスのパターンや部位に合わせ、素材の落ち感、伸度に応じた刺繍をしていきます。刺繍はある程度糸を引いた方がラインが美しくシャープに見えるものです。したがって糸調子を緩めて素材の動きに自由自在に合わせようとしながら、ラインのシャープさを表現することは簡単ではありません。

それは一瞬の糸を引き上げる瞬間に、素材の可能性を感じながら糸に緩みを与え、進行方向を定めて、0点数ミリの次の針を刺す位置を見定めるという仕事の繰り返しです。熟練した技術を要しますが、これまで半年間ステッチを極め、ビーズ刺繍の課題をこなしながらつかんできたことが活かされます。やり直しされたことで、さらに経験と何よりも自信をつけられたのではないでしょうか?柔らかでありながら美しい作品に仕上がりました。次はいよいよさらに柔らかく薄いストレッチ素材の課題です。糸調子もストレッチに耐えうるかなりゆったりした含みを持たせていきます。心を静めてひと針ひと針に集中し糸調子を安定させていきましょう。
ビーズ刺繍のおもて面
ビーズ刺繍の裏面

クリムトの絵画の刺繍に取り組まれた方は、絵の輪郭のライン入れから始まり、続いて面を埋めていく表現に入りました。この課題は、色彩や芸術的感性を引き出して磨いていくだけでなく、十分なステッチの訓練になっていきます。2本、3本の糸を引き上げていくのは、コツがいりますがそれも自在になって針さばきも柔軟になってきています。細部まで丁寧で細やかな刺繍が、全体のインプレッションを強め、完成度をグッと高めつつあります。色出しを納得いくまで何度もやり直しされているので、予想以上に時間がかかる面もあるかもしれませんが、完成が楽しみです。

クリムトの絵画の刺繍:背景の表現
クリムトの絵画の刺繍:細部の表現

イニシャルの課題を進められた皆様は完成されました。この課題ではイニシャルをモチーフとして自由にデザインし素材を選んで刺繍をしていきます。レッスンを始めてわずか2ヶ月ですが、難易度の高い金糸やラメ糸の刺繍をこなし、立体表現にも取り組まれました。糸の引き上げに慣れて来られたのはもちろん、ステッチにも安定感が出てきまています。それぞれの個性が感じられる素敵な作品になりました。ここからは写真でご紹介します。

ホワイトのラメ糸立体的なイニシャル刺繍 
周囲はバイカラー(2色配色)のラメ糸の刺繍で
金糸と立体的なイニシャルの刺繍
細部まで緻密な表現

皆さんのクリエーションがますます輝くことを願っています。課題の途中で何かありましたらいつでもお声がけください。

それではまたレッスンでお待ちしています。

 

 

*掲載されている作品・画像・文章などの無断転載・複製・デザインの利用は固くお断りします。*

 

Copyright 2020株式会社エルスタイル,All Rights Reserved.