小し前の事になりますが、ワルシャワの中心部のギャラリーで行われたエキシビジョンに誘われ、訪れました。ポーランドの現代グラフィックを導いた父”と言われる、グラフィックデザイナーの作品展でした。即にこの偉大なクリエイターは亡くなられて、数十年が過ぎます。私は何度か他国に行きながらも、即に10ヶ月以上ポランドにいました。英語ばかり話していて、恥ずかしながらポーランド語は話せません。あいさつと、ありがとう、おいしい、今すぐうかぶのは、この3つの言葉くらいです。そんな私でしたが、エキシビジョンのフロアに足を運ぶと、知っているマークばかりでおどろきました。 銀行PKPというのマーク、有名ホテルのマーク。様々な企業のマーク。どれも見た事のあるマークばかりでした。シンプルなロゴやイラストのデザインの中に、そのフォームやシルエット、スタイルの中に、ブランドや企業のアイデンティティ、コンセプト、ストーリーがつまっています。シンプルなワンマークの示すメッセージのパワーとその世界観の多様さ...一人の人がこの様々な世界を表現した。と思うと、感動的でした。
特に私は、文字や数字の気憶力が悪く、なぜか図形や、色、絵などの気憶力は、良いのです。なのでマークは、とても記憶に残りやすいのです。
今では、スマートフォンの普及によって、多くのインターフェイスがマークで示されています。生活の一部となり、当たり前の身近なものとなりましたが、 これを100年以上も前に生まれた人が、50年、60年前にデザインしていた。という事を想うと、本当に時代の先駆者であったのではないかと思いました。しかも、 そのデザインが、全く古く感じられないのです。今デザインされたと言われて も不思議ではない様な新鮮さもあり、時を超えていく普遍的なシンプリティに魂了されました。時代の流れを読んでいたのか?あるいは 無意識的に表現されていたか分かりませんが、当時からすれば50年、60年後のトレンドを知る未来人であったのではないかと思います。
そして前回のメッセージでもご紹介した、18世紀にポーランドで聖堂の建設が進められていた事についても...感動的でしたが...もしその数百年後の今、実現させる事が出来たら、当時の人々は数百年後を見ていたと言えるかもしれませんし... 数百年後の人類に 影響を与えた人達だったと言えるかもしれません。その聖堂の建設途中のものが、公園として残されている様なので、近いうちに何とかして見に行きたいと思います。

時代の先駆者といえば他にも様々な分野にいらっしゃるでしょう。レオナルド・ダ・ビンチも、はるか未来の時代に実現する数多くのアイデアを構想されていました。ミュージシャンのジョン・レノンのイマジンという曲には、この世界から国境がなくなったら...という平和を願うメッセージが綴られています。かつて日本でも400年前には、国内で戦争が絶えず、人々は血まみれになって争い続けた時代がありました。しかし今では、国内や隣の県と戦うという事はありえない現実となりました。戦いといえば、スポーツくらいです。世界の国と国も、ジョンレノンが描いていた様に、まるで"隣の街や人"という様な感覚になる未来が来るのではないかと思います。
ワープなどの宇宙航行が一般的になれば、今の海外旅行も、宇宙旅行へと変化していくかもしれません。そして宇宙人との交流が始まる頃には、地球上の国と国との戦いもありえないものになっていくかもしれません。
核戦争が起きる不安も消えない世界の現実もあります。しかし、私達がこの地球の危機を乗り超えて、新たな地球の未来を切りひらく、その奇跡の時を皆様と共に歴史の一ページに刻んでいきたいと願います。偶然ではない、全ての人々の一日一日、それがどれほど奇跡だと感じられるか。今日私達の周囲に、ミサイルが飛んでくる事もなく、いつもの様に一日が過ぎる事が、どれほど幸せな事であるか。この奇跡に満ちた日々を、あなたと共に刻む事が出来る事に、心から感謝致します。

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